写真作品【series of LOTUS】2011

写真作品【series of LOTUS】2011

2010年3月から9月まで私は根津に住んだ。13年付き合って、一緒に住んでいた恋人と別れ、久しぶりの一人暮らしであった。

近所を散歩していると、不忍池がすぐ近くだった。3月の頃、枯れきった蓮の茎が寒さと共に孤独を見せて、これまでの事を思った。

暖かくなっていくと、もう何も生えてこないように思えた蓮の池が、うっすら緑を見せてきた。

それから夏に向かって、信じられない勢いで蓮が姿を現していった。私は、その生命力に心を奪われて毎日の様に蓮の池に通った。

私は、その姿に自分を重ね合わせ、再生したかったのだ。

蓮が咲き誇って、ぼたりとその花を落とす頃私はこれからのことを思いはじめていた。


*この時期から、デジタル処理で線にする手法が閃いた。コラージュの作品をどうシンプルに構成するのかというのを作る上で考えていた。全てが線になった時、コラージュの作品で考え作っていたことがより具体的に表せると感じた。
はじめの3点は、不忍池の写真(全て蓮が写っている)と一人になって初めて撮ったセルフポートレートを組み合わせている。
もう二点は、蓮を撮った写真をそのまま線化させたもの。1点目だけ、同じ写真を三枚重ね合わせた。3には、現在、過去、未来という意味をもたせている。1点目のセルフポートレートも同じ理由から3人いる。