写真作品【幻(phantom)】【櫻(SAKURA)】2013

【幻(phantom)】

水に映る世界を夢中になって見ていた。水中の中の世界、目の前に聳え立つ物たち、そしてそれが映る水面。いくつもの次元が私にこの世界の秘密を教えてくれる。水鏡は、風によって形を変えていく。私が見ている世界は、このようなものなのかも知れない。形があるようで、本当はそれは私が見る幻(まぼろし)の世界だと。


関連サイト 「諸行無常と私の幻について

海に写りこむ顔見知りの友人達のポートレイトシリーズ。新シリーズ。一瞬一瞬うつろい(移ろい、虚ろい、空ろい)ゆく、水面に写り反射する図像。その水面自体が「写真」の原理そのもの。それを忠実にブツ撮りの様に映していった作品群。人間像を始め世界のすべてのものや出来事は多元的に解釈出来るもので、その性質を良くその水面自体が「写真」の原理そのもの。それを忠実にブツ撮りの様に映していった作品群。人間像を始め世界のすべてのものや出来事は多元的に解釈出来るもので、その性質を良く映し出している。ヤンファンアイク「アルノルフィニ」の凸レンズに世界すべてが映し込まれている様に、水面は凸レンズにも凹レンズにも変化し、世界をすべて映し出す鏡そのもの。また、写真の古来から持つ液体との関わりや内包する時間、そしてデジカメによって出現する等高線の様なライン。そのラインによってすべて世界が認識されていく自動手法。

ヴィヴィアン佐藤

【櫻(SAKURA)】

アニミズムの国で、私達は春になると桜を愛でる。この国ならではのこの春の行為を通して私達は自然に神を見て、それと一体化する。デジタルの手法で、グラデーションに沿って一様に線になった桜は、私と寄り添い私と一体化する。私は桜と何も変わることはなく、同じ線の世界に存在している。そしてそれは祈りの行為でもあるのだ。

関連サイト 「ゴールデン街と私の櫻について」