ひとりの宇宙

ひとりの宇宙
新宿二丁目「星男」とクィアな私の物語

私が初めて書いた本【ひとりの宇宙-新宿二丁目「星男」とクィアな私の物語】が12月23日に論創社から発売されます。

https://ronso.co.jp/

この本では、私の幼少期からモデル、タレントになった頃の話から、写真家、アーティストとしての活動、そして12年前にオープンしたバー「星男」へ至る、私の半生をクィアとしての部分を特にフォーカスして書いた本です。

たまたまだったのですが、今年で17歳でモデルデビューして30周年。

星男は12周年を迎える事ができたタイミングでの刊行です。

コロナ禍が始まった頃書き始めて、約3年ほどこの本と向き合ってきました。

私のこれまでを作ってくれた人たち。大きな出来事であった父の事や、考え方に大きな影響をくださった方たち、そしてお客様とのストーリーを通して、私の経験を書くことができたのは、改めて自分自身と向き合うことができたとても貴重な時間でした。

ひとりの宇宙というのは、独立したそれぞれの世界をもつ唯一の人という意味です。

この大きさを表すためには、宇宙ほどの大きさでないと説明がつかない思いがありつけました。

ひとりの宇宙なので、同じ宇宙はなく、またマイノリティーもマジョリティーもない。

それくらい違うという意識を持って、お互いに尊厳を持って人と関わりたいという思いがあります。

そして、自分への尊厳ということがこの本の中での大きなテーマの一つでした。

時代は、どんどん進んでいて、最近になって私自身の性自認に関しての感慨もより深く考察でき、認識を改められたことが今回の本の中で自分でも驚いたことの一つでした。

言葉が生まれていない頃からもやもやとしていた事が、進んでいく時代と言葉の出現ともに腑に落ちる瞬間がありました。

性自認に関して、私自身は「Xジェンダー」「ノンバイナリー」であり、そうなると今まで使っていた「ゲイ」というセクシャリティーを示す言葉が当てはまらなくなっていました。

この本の書き出しやほぼ最後までは、私自身を「ゲイ」と書いているのですが、書いているうちに相違があることに気がついていきました。

そうすると、自分が今まで色々な物事に抱いていた感情や、自分自身。そして、星男の在り方にもしっくりきて、これまでの自分を、やっと発見できた思いを持ちました。

ジェンダーやセクシャリティーだけでなく、それぞれの個人はカテゴライズが難しいほど繊細です。

その違いや、変わっていくことも含めて丁寧に今の自分や他人とも、繊細にコミュニケーションをとっていく事が大事だと書きながらより解っていく感覚がありました。

本の中では、お世話になってきた新宿二丁目の大先輩であるTaq`s KnotのTaqさんこと大塚隆史さん、agitのYUKKOさんこと菅原有紀子さんとの対談。

帯には、地元木更津の仲間である氣志團の綾小路翔さんが文章を寄せてくださいました。

星男の看板を描いて下さった宇野亜喜良さんの星男くんが表紙です。

たくさんの方たちの愛を感じながら、本を仕上げる事ができました。

ぜひ読んで感想を頂けたら嬉しいです。

櫻田宗久