【蝶次元コメント】ヴィヴィアン佐藤(非建築家、美術家)

瞼の裏の風景ともいうべき、幻視の像(スペクトル)は色彩や輪郭を超越し、いや、むしろそれらが生まれる以前の世界である。
木枠の年輪という冬の到来の徴は、記憶の遠近法に重なる。冬の記述が極端に少ないのは記憶の冬眠か。。
シャッターを切るとき、被写体や風景と同一化する写真家の肉体は完全に消失し、それらと同様に輪郭や色彩も失っているはずだ。
すべて粒子化する世界はエピクロス的な無神論にも通じ、同時に永遠性を獲得する。
我々はどこから来てどこへ向かうのかという壮大で、かつ極小な問題を身近な日常で描く。
像(スペクトル)こそは描かれないが、そこに出現するのは紛れもない亡霊性である。
世界は亡霊で満ち溢れており、そこでは寝息が海風となり、敷布は砂漠と化す。

ヴィヴィアン佐藤(非建築家、美術家)

蝶の時間 櫻田宗久 (初出:薔薇族2005年)

「蝶が雨宿りしているところ、見たことある」
夏の暑さにすっかりやられてしまって、何も考えられなかったのに
なぜだか僕は泣いていた。悲しい事なんて、何もなかったはずなのに。
「羽が濡れてしまうと、飛べなくなるのかも知れないね」
蝶の羽には粉がたくさんついていて、雨などを弾く役目がある事を
思い出していたが、言い出しそびれてしまった。
僕には、そんな粉ついていないから、いつも濡れてしまう。
今だって、目の中に水分がひたひたと溢れていて、一杯になると
すらすらと流れ落ちるままだ。弾くこともないまま、ただ流れていく。
本当は悲しいのかも知れない。
さっきから降り出した雨が、ぐんぐんと空気を浄化しはじめていて
僕の脳にも新鮮な空気が循環しはじめている。
いつの間にか、遠い夏を思い出していた。

部屋にはクーラーがなくて、とても暑いというのに
真昼だというのに、実家だというのに、人がいないのを見計らって
セックスばかりしてた。体中から汗を流しあいながら、キスをして
お互いの唾液を絡めあう。まるで雨に打たれたようにずぶ濡れに
なって、お互いの体を貪った。喉が渇くと、すぐさまペニスを口に
入れられる。ペニスから甘ったるい匂いが鼻に伝わると、意識が薄れだし
喉元にまでそれを咥え込んでしまう。欲しくてたまらないそれから、
勢いよく精液が出されると、苦い味わいをもつそれは喉元から離れようとしなかった。

「卵から幼虫になって、蛹になるでしょ?で、やっと蝶になる訳じゃん。すごい変化だと
思わない?幼虫の皮を脱いで蛹になるの見たことある?」
「教育テレビかなんかで見たことある。確か……」
「数分で、変わるんだ。筋肉が全く違うから、前のは溶ける。だから蛹の中はどろどろ」
昆虫が好きだというこの子は、それらの話をしだすと止まらない。
博識ぶって、うれしそうに話しているのがかわいい。
「もし、蝶だったら今はどの時期なんだろう」
うーんと、真剣に考えている彼を見ながら、自分はもう蝶になっているような気がした。

ぽってりと膨れた唇が好きだった。
初めて会った時に、その唇にやられてしまい、すぐにでもキスがしたくてたまらなくなった。
やっと、キスが出来た時は、体中の力が抜けて、溶けてしまった。
やわらかいあの唇と、とろとろとした舌が、僕の口の中へ吸い付き、掻き回していく。
全ての神経が口元に集められ、僕の舌もダンスを踊る。ゆっくりと、静かに、時おり激しさをもって。
お互いの水分が波のように寄せては返されていく。
海の中に潜っていきながら、体の感覚を失くし二人の口と絡めあった舌だけが存在していた。
どれくらいキスをしていたのだろうか?

「今は蛹かも知れない」
真剣に考えていた事に、少し笑ってしまう。どうして?と聞いたらまじめな顔をして
自分がまだまだ子供で、なりたい自分にはまだなれていないからと答えた。
「真の男になりたいっす」
真の男か。いろいろな経験を積んで、何が起きてもびくともしない、そんな男。
「いろいろな事がすぐに飽きちゃって、すぐいらいらするし、我慢強くなりたい」と彼は言った。
「その時はちょっとつらいけど、結局スムーズに進んで後々楽だったりするから、多少の我慢は必要かもね」
「人間関係でも、つい感情に流されて喧嘩になったりするけど、冷静に話せば丸く収まったりするし」
頭の中はうっすらと靄がかかっていて、しんと張りつめている。思考のドアは開かれる間もなく、
経験の森の遣いが言葉を連れて口先からこぼれ落ちるのをぼんやりと感じていた。
「勉強になるなぁ〜」
感心の色を体に滲ませて彼は言った。

「なんで、解かってくれないの!」
テーブルの上には、さっき彼が作った夕飯が幸せな恋人との暮らしを絵に描いたように並べられていたが、
それらを全て床に落としてしまっていた。テーブルの上にものが無くなると、今度は座っていた椅子を
投げていた。投げるものがなくなると、今度は彼に向かっていった。
彼との喧嘩はもう何回目になるだろうか。キスをした回数よりも上回っているのだろうか。
伝えたい事が伝わらないもどかしさが僕を爆発させていた。違う意見を跳ね飛ばして意固地になり
聞く耳をもたないことに失望していた。手をあげると負けだと言われたが、言葉は空中を彷徨うばかりで
それを捕まえようとしない相手に解かってもらうには、それしか出来なかった。
話を聞いてほしかった。

唇がやわらかい。キス好きなんだ?すごい汗。甘い匂いがする。
何?ここ気持ちいい?知ってる。ここは?
照れることないよ。うん。好き。やばい。入れたい。
痛くしないから。大丈夫だよ。初めだけだから。いい?うっ。
すげえ、やわらかい。あっ。まじできもちいい。すぐいっちゃいそう。
どろどろなんだ。蛹?うん。溶けてる。僕も。うっ。愛してる。好きだよ。
声出していいんだよ。あっすげえ。気持ちいい。あっあっ。

彼のペニスが入ってきた時、他人との一体感をはじめて感じた。
足りないものを埋めるように休むことなく尻の穴の中へ入っていくペニス。
いつの間にか涙を流している。
雨を降らしている雲を抜けると、神々しいほどの光が広がっている。
ここはどこなのだろう。今までごめんなさい。素直じゃなかった。
淋しかったんだ。遠くで誰かが呼んでいる。すごい輝いている。
こわいよ。ごめんなさい。一人はやだよ。こわい。美しい。ごめんなさい。光。あ。
目前に現れる突然の色彩に息が止まった。蝶だ。

何度も入れて欲しいとせがむ君を見ながら、
僕はやっぱり蝶ではないと感じていた。僕も君と同じ。蛹の中のどろどろとした真ん中で
新しい筋肉をつけている。大切な事はいつでも言葉にできなくて
体が自然に答えを発している。水分を出しながら、その理由を見つけるのが
今の僕に出来る事。君と僕のペニスから滴る粘り気のある液体を指に取って
僕たちはひたすらに水分を出さずにはいられないことを思った。
言葉には出来ない、僕たちの思いはただひたすらに水分となって。

「蝶が通る道は、決まっているんだ」
天気雨が、変わりやすい僕たちの心の動きをそのまま表している。
「バタフライロードだよね」
何度も何度も同じ道を辿ってきっとあるべき所へ僕たちも行くときがくるのだろう。
僕は変われるのかな?
いつか、君も変わるのかな?

 

【蝶次元コメント】高谷丘人(専門学校教師)

神保町画廊で櫻田宗久写真展「蝶次元 此岸と彼岸の間で」。櫻田宗久はモデルとしてデビュー、俳優、歌手として一斉を風靡した後、写真家に転身、写真家のメッカであったツァイトフォトサロンで作品を発表するまでになった。

今回のタイトルの由来は文楽の「契情倭荘子」にあるという。恋仲の二人が死んだあと蝶になるという比喩にインスパイアされ、被写体である裸の男たちを蝶に見立てて表現する。標本にされた蝶のごとく、フレームが木枠のオリジナル。素晴らしい。

彼が初めて発表した作品は、パートナーの男性のヌードだった。そのインティメットな表現から、ツァイトやポスターハリスでの展示は、凝ったデジタル加工のポップなポストモダン的作品に変貌していく。

今回はモティーフとしては初期のメールヌードに回帰し、表現としてはデジタル加工にこだわった。デジタル加工の色彩の美しさ、そしてピッキングしたような人工的な線、それが違和感なく見事に融合している。写真を素材として使用しているものの、表現手段はモダンアートのそれだ。僕がもし若手現代美術の登竜門であるVOCAの推薦委員だったら、迷わず櫻田宗久を選ぶだろう。

モダンアートの今までにない新たな表現の登場に脱帽した。

高谷丘人(専門学校教師)

【蝶次元コメント】 猫沢エミ(ミュージシャン、文筆家)

ムネくんは、その昔渋谷系のプリンスだったり、安野モヨコさんの漫画のモデルだったり、時代のアイドルとして一世風靡した青年期を経て、今では写真家としてParis Photoへも出展経験のあるアーティスト。内面世界の複雑な粒子を、外界に移したその独自の手法は、写真と絵画の間にたゆたう美しくも鮮烈な分身です。観る人の心の片隅に眠っている、こそばゆい恥辱や慈しみが、ムネくんの視線を通して揺さぶられる。プリントのテクスチャーも含め、素晴らしい展示でした。ぜひみなさんも足をお運び頂けたら嬉しいです。

猫沢エミ(ミュージシャン、文筆家)

見るということ 櫻田宗久

 

今回神保町画廊で展示をする写真は男性ヌードが主となっています。

私は、しばらくジェンダーやセクシャリティーの問題から離れて考える事が増えていき、作品も抽象的になっていました。

最近なぜそうなっていったのか考えていました。

世の中はわからない事だらけで、眼に映るものが真実と限らない。

デジタルで映された写真を掘り起こしていると、ただの線になっていくのが自分の気持ちと合いました。

そこには男も女もなくて自然もみんな線だった。

それは物事の意味への思い込み、刷り込みから逃げ出したかったという気持ちだった気がしています。

全て、同位置にある対象として世界を感じていきたかった。

私の写真の始まりは当時付き合ってた彼との日々を撮影したものです。

私写真にこだわろうと思いゲイのカップルの日常が撮影されたものが殆どなくはじめはやってみようと思いました。

カミングアウトしたのも彼と付き合い始めて、彼を好きだと思うことを隠すことはおかしく思え、むしろ自分が誇らしく感じたからでした。

私は、人との出会いから今までの人生を作ってきました。バーを始めて、たくさんの出会いから学ぶところも多くありましたが、

今回の写真展までゆっくり時間をかけて、線から人が人の姿に(写真的な意味で)戻っていきました。自然は自然の姿をしています。

まだ、ノイズが多いのは私がまた目を開けて間もないからかもしれません。

とっても長くかかってしまったような気にもなりますが、私はそこにある形を大分認めたり許せるようになっていったのかも知れません。

これからも泣いたり笑ったり人間や世界と関わって私の写真を撮っていこうと思っています。

神保町画廊での展示では、日記のようなタイトルをつけていて1ヶ月という単位で(同じ日の写真もあるのですが)31点を展示しています。

活版印刷で刷られた日記は儚い魅力を醸し出しています。

サイズはA4,A3と初めて小さめのサイズで展開しています。プリントを久しぶりに自分でやってみたかったというのと、小さいサイズでの表現に興味がありやってみました。

額装を木で作ってもらい、蝶を標本していくように作っていきました。エディションは全て7です。

私の作品と、今回使用した紙の相性が良く(和紙)キラキラした質感になっていて、それは蝶の鱗粉を思い起こさせるものでした。

在廊は、ほぼ毎日15時から16時以降から19時までおります。

観て頂いて感想を教えてくれたら嬉しいです。

櫻田宗久

写真は2016年の作品から。セルフポートレート。見たくない気持ちがよく現れてる気がしてます。

【蝶次元 ー此岸と彼岸の間で 関連イベント】 10月18日(水)大塚隆史×櫻田宗久 ギャラリートーク

【蝶次元 ー此岸と彼岸の間で 関連イベント】

10月18日(水)大塚隆史×櫻田宗久 ギャラリートーク

Start 19:00 Close 20:30 

大塚隆史プロフィール

その昔、一世を風靡した『スネークマンショー』に参加し、ゲイのポジティブな生き方をリスナーに向けて発信。これに影響を受けたゲイは数知れず。その後は造形作家として活躍中。近年ではエッセイや翻訳等の執筆活動も盛ん。別冊宝島のゲイ三部作『ゲイの贈り物』『ゲイのおもちゃ箱』『ゲイの学園天国』を責任編集。訳書に『危険は承知/デレク・ジャーマンの遺言』(アップリンク・河出書房新社刊)、著書に『2丁目からウロコ』(翔泳社・刊)、『二人で生きる技術–幸せになるためのパートナーシップ』(ポット出版・刊)がある。

1982年、バー「タックスノット」を新宿に開店。若いゲイの(そして若くないゲイの)良き相談相手として幅広い支持を得ている。

*無料のイベントとなります。

場所:神保町画廊

(先着15名程のご入場となりご予約は受け付けておりません。)

神保町画廊 http://jinbochogarou.com

東京都千代田区神田神保町1-41-7安野ビル1階  TEL03-3295-1160

櫻田宗久写真展 「もう一つの蝶次元 ーkoikoi(鯉恋)」

櫻田宗久写真展

もう一つの蝶次元 ーkoikoi(鯉恋)

2017年10月13日(金)~10月31日(火)

10月13日(金)オープニングパーティー20:00~

星男 @barhoshio

神保町画廊で開催の個展「蝶次元 ー此岸と彼岸の間で」を記念して星男にて同時開催。

鯉を撮影したシリーズを中心に、もう一つの蝶次元の世界を展示します。

 

*Barでの展示のためチャージ¥600、ドリンク¥700~かかりますことをご了承ください。

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BAR 星男

TWITTER @barhoshio

新宿区新宿2-6-8小沢ビル1F TEL 03-5379-6077

月~木、日曜日 

20:00~02:00

金、土曜日(祝日前) 

20:00~05:00

星男食堂 

月~木曜日

11:30 ~16:00 (LO15:30)

金曜日

11:30~15:00 (LO14:30)

売り切れ時やケータリングなどで営業時間変更の場合があります。

TWITTERにて変更を随時お知らせ致します。

【蝶次元コメント】川本直(文芸評論家)

「文は人なり」という言葉がある。
文章に限らず、全ての芸術は作り手の魅力の技巧的な変奏だ。
それは写真においても変わることはない。
櫻田宗久がカメラに収めた男たちの華奢な裸身は、彼自身に似て男性性を超越した官能性を帯びている。
そして、写真に現れている喪失感と気品と優しさ。
その全てはモデル、俳優、歌手、写真家と様々な顔を見せてきたアーティスト・櫻田宗久自身が漂わせるイメージと驚くほど酷似している。
「蝶次元 – 此岸と彼岸の間で」は櫻田宗久その人の魅力の秘密を私達にそっと教えてくれる私的な小宇宙なのだ。

川本直(文芸評論家)

新井英樹トリビュートグループ展 参加のお知らせ

新井英樹展
第1弾
●新井英樹トリビュートグループ展
『た・・・・勃て・・・・!・・・・勃つんだ英樹ー!!』
2017年8月31日(木)〜9月13日(水)
9月1日(金)オープニングパーティー
「新井英樹と作家のトークショー」20時よりオープン
トークイベントは21時頃から(ご予約は受け付けておりません)

《参加作家》
二艘木洋行
ヌケメ
増田ぴろよ
櫻田宗久

第2弾
●新井英樹原画展
2017年9月15日(金)〜9月27日(水)
9月15日 新井英樹お誕生日会
20時オープン 新井英樹さんの誕生日をみんなでお祝いしましょう

【二艘木洋行によるステイトメント】
『た・・・・勃て・・・・!・・・・勃つんだ英樹ー!!』

漫画家の新井英樹さんをテーマにした展覧会をすることになった。

ことのはじまりは星男に行った時、宗久さんからまた展示やりませんか?といっていただいたところから。
個展でもグループ展でも良いんだけど、ということだったのでいろいろ考えていたところ、展示の時期が9月の前半に決まる。
9月の後半は新井英樹さんの個展だという。
かねてから新井さんの漫画のファンだったので、この偶然性から新井英樹トリビュートのアイデアは自然と出てきてた。

さてどうキュレーションするのか、考えた時に以前二人展をやった時お互い新井さんのファンだとわかり、
展示のインスタレーションにお互いが持ってたワールドイズマインを並べたことのあるヌケメさん。
星男のオーナーでもあり、新井さんとも親交があり、新井さん漫画のキャラクターのモデルにもなってる写真家の櫻田宗久さん。
宗久さん経由で聞いた、新井さんの大ファンだという男性器を主題にした作品を作る美術家の増田ぴろよさん。

こんなメンバーが揃ったところで、普通の漫画家トリビュート企画では面白くないからしたくない。
新井さんがみて、何じゃこりゃと驚いたり、感動したり、考えるより身体的に脳内ちんぽが勃起したりするような展示にしたい。
新井英樹を(脳内)勃起させたい!
そう思ってこの展示を企画しました。

ひとりひとりキャラクターが違い、
でいて新井さんへの愛のあるメンバー。
きみの可愛さは、
フルーツみたいに甘くて、
ルッキングッドで、
ぼくだけが君の可愛さをし
ってる。そんな童貞みたいな、、
キスがしたい。英樹がここにいてほしい。

二艘木洋行

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全てチャージ¥600、ドリンク¥700~となります。
(ワークショップ、特別イベントをのぞきます)
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BAR 星男
TWITTER @barhoshio

新宿区新宿2-6-8小沢ビル1F TEL 03-5379-6077
月〜木、日曜日
20:00〜02:00
金、土曜日(祝日前)
20:00〜05:00

星男食堂
月〜木曜日
11:30 〜16:00 (LO15:30)
金曜日
11:30〜15:00 (LO14:30)
売り切れ時やケータリングなどで営業時間変更の場合があります。
TWITTERにて変更を随時お知らせ致します。

【個展のお知らせ】蝶次元 ー此岸と彼岸の間で

蝶次元 ー此岸と彼岸の間で

櫻田宗久

2017年10月13日(金)~10月22日(日)

神保町画廊

開廊時間:13時~19時  会期中無休

協力

額装:nadowa

活版印刷:服とタイポグラフ

デジタル写真を過剰に加工していくと、写真が粒子状になっていく。私は常々、世界や人間も粒子でできているのではないかと思っている。

白昼夢の中で、私は光の世界に入っていく。あらかじめ色が決められていない世界の中で自由な色の世界。この世界はどこの世界なのだろう?

初めて文楽を観た時の作品が「契情倭荘子」という演目で恋仲の二人が死んだあと蝶になるという比喩に感銘を受けた。二次元の世界のような蝶の形態とその比喩は二次元表現である写真と写真に寄り添う終わった時間(死)という概念と重なっている。

私小説のように、普段から使っているiPad miniで毎日を撮影している。裸の男たちは私の視覚的メタファーとして存在していた。男たちを蝶に見たて、時間と一緒に標本にしている行為にも近いのかもしれない。

デジタル写真が加工されつくし、毎日の風景と男たちは自由な色と粒子の世界となった。此岸と彼岸の間で男たちは生まれたがり、キラキラとした鱗粉を漂わせ蝶が舞っている。

そうだ、この世界を蝶次元と名付けよう。

【蝶次元 ー此岸と彼岸の間で 関連イベント】

10月18日(水)大塚隆史×櫻田宗久 ギャラリートーク

Start 19:00 Close 20:30 

*無料

場所:神保町画廊

10月19日(木)おおくぼけい・ソワレ ギャラリーライブ「蝶のように」

Start 19:00 Close 20:30

出演:おおくぼけい(アーヴァンギャルド)、ソワレ

*無料

場所:神保町画廊

10月21日(土)ヴィヴィアン佐藤×櫻田宗久 ギャラリートーク

Start 19:00 Close 20:30

出演:ヴィヴィアン佐藤、櫻田宗久

*無料

場所:神保町画廊

10月22日(日)クロージング企画 ALICIA(キタムラアラタ)パフォーマンス

Start 19:00 Close 20:30

出演:ALICIA(キタムラアラタ)

*無料

場所:神保町画廊

(全て先着15名程のご入場となりご予約は受け付けておりません。)

神保町画廊

東京都千代田区神田神保町1-41-7安野ビル1階  TEL03-3295-1160

8月2日 20:43 二日酔いが抜けないまま、自宅でたくさん汗をかきながら最近泣いてない気がした。

8月10日 10:07 霧が立ち景色が何も見えなかった私たちは蝶を見た。

8月21日 16:27 蝶が沢山いる公園に一緒に行こうと言うと蝶に襲われたいと男は言う。繋いだ手が華奢で。