見るということ 櫻田宗久

 

今回神保町画廊で展示をする写真は男性ヌードが主となっています。

私は、しばらくジェンダーやセクシャリティーの問題から離れて考える事が増えていき、作品も抽象的になっていました。

最近なぜそうなっていったのか考えていました。

世の中はわからない事だらけで、眼に映るものが真実と限らない。

デジタルで映された写真を掘り起こしていると、ただの線になっていくのが自分の気持ちと合いました。

そこには男も女もなくて自然もみんな線だった。

それは物事の意味への思い込み、刷り込みから逃げ出したかったという気持ちだった気がしています。

全て、同位置にある対象として世界を感じていきたかった。

私の写真の始まりは当時付き合ってた彼との日々を撮影したものです。

私写真にこだわろうと思いゲイのカップルの日常が撮影されたものが殆どなくはじめはやってみようと思いました。

カミングアウトしたのも彼と付き合い始めて、彼を好きだと思うことを隠すことはおかしく思え、むしろ自分が誇らしく感じたからでした。

私は、人との出会いから今までの人生を作ってきました。バーを始めて、たくさんの出会いから学ぶところも多くありましたが、

今回の写真展までゆっくり時間をかけて、線から人が人の姿に(写真的な意味で)戻っていきました。自然は自然の姿をしています。

まだ、ノイズが多いのは私がまた目を開けて間もないからかもしれません。

とっても長くかかってしまったような気にもなりますが、私はそこにある形を大分認めたり許せるようになっていったのかも知れません。

これからも泣いたり笑ったり人間や世界と関わって私の写真を撮っていこうと思っています。

神保町画廊での展示では、日記のようなタイトルをつけていて1ヶ月という単位で(同じ日の写真もあるのですが)31点を展示しています。

活版印刷で刷られた日記は儚い魅力を醸し出しています。

サイズはA4,A3と初めて小さめのサイズで展開しています。プリントを久しぶりに自分でやってみたかったというのと、小さいサイズでの表現に興味がありやってみました。

額装を木で作ってもらい、蝶を標本していくように作っていきました。エディションは全て7です。

私の作品と、今回使用した紙の相性が良く(和紙)キラキラした質感になっていて、それは蝶の鱗粉を思い起こさせるものでした。

在廊は、ほぼ毎日15時から16時以降から19時までおります。

観て頂いて感想を教えてくれたら嬉しいです。

櫻田宗久

写真は2016年の作品から。セルフポートレート。見たくない気持ちがよく現れてる気がしてます。

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